引き続き、お待たせして申し訳ありませんでした。
ようやく講評その2です。
(第3回TBでボケましょう講評その1(1~15)は
コチラです)
*参加作品一覧*
<タイトル/ブログ名 ( )はトラボケ2006、出場回数>
(「TBでボケましょう2006」ルール及び過去の作品群は
コチラです)
16.
『空が青い日に』/与太話びより。(2)
お題にちなんだボケというよりは、お題をモチーフにしたショートストーリーとして
完成しています。作者もあえてボケを入れようとは思っていなかったことは、
「青春してみました。」というあとがきからも明らかですね。
登場人物が生き生きとしているのは、やはり作者の文章のうまさ所以でしょう。
企画ものからこうしたシリーズが生まれることって、本当にすごいと思います。
17.
突然の終わり/ブログ?ぶろぐ?(1)
こちらもウソのような実話で参加。
日常で笑いを取れるというのはとても羨ましいですね(ひとごとのように
この作品、なんといってもタイトルが面白いですよね。何の終わりかと思っちゃいますよ。
私の場合、なるべく普段の記事でもタイトルには(それなりに)こだわるようにしているのですが、
トラボケに限らず創作ものでは、タイトルも特に重要だと思うのです。
18.
第3回TBでボケましょう/ばれたら妻に殺されるblog(1)
一夫多妻制とは本当にすばらしい制度なのか?
こんなくだらないこと(失礼)に、直球で疑問を投げかけてみた作品。
素直に大笑いしてしまいました。いや、これは私には絶対書けませんね。
というか、考えてみたこともなかったです。これも一種の実話と言えるのでしょうか・・・?
名前を呼ぶのが神様だったというネタは他でも見ましたが、そんなことはもう、どうでもいいです。
19.
春宵/やみくもバナナメロン(3)
言葉遊びというか、言葉をこれだけ自由自在に操れる人はそういないと思うのです。
私は絵が描けないので、文章にビジュアルを持たせることが苦手です。でもこの人は、それを
軽々とやってみせちゃう。思わず嫉妬です(笑
ストーリーがどんどん広がっていって、後半、「だいち」が出てきたところ。この飛躍。
筒井康隆の「エディプスの恋人」のラストを思い浮かべてしまいました。かっこいいなあ・・・
20.
「真夜中の侵入者」/ Everything in Life is Only for Now(3)
トラボケにはいろんなオチのつけ方があります。
外部からリンクを引っ張ってくるのもひとつの方法で、これはもう、アイデア勝負というか、
思いついた者勝ちなんですよね。このCM、大阪の人なら知っている人は多いと思うのですが、コマーシャルそのものがもう、まるまるネタなんです。脈絡も何もないあたりが。
ローカルネタのピンポイント攻撃は、審査員によって評価が分かれやすい諸刃の剣です。
「わはは!」と笑えるか、「ほお!」と驚くか。私は今回、前者でした。
21.
Life is Statistic: 「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」/Life is Statistic(3)
時々作家さんのあとがきなんかで、「勝手に筆が進んでしまった」とか、「登場人物がひとり歩き
して」などといった文章を見かけることがあります。
今回のこの人の作品も、そうだったのかなあと勝手に思っているのですが、いかがでしょう。
根底に「ボケ」があることは大事かも知れませんが、時々そうした制約を外れた作品が出てくるのも、私的にはありだと思います。筆力のある方ですので、思う存分世界を広げて見せて欲しいです、これからも。楽しみにしています。
22.
甘い声/スナバあそび(1)
「僕」が誰(もしくは、何)なのかをうまくミスリードしていますね。
オチを一つ、「これ!」と決めてから、そのオチに向けて丁寧に文章を綴った印象を受けました。
小ネタをいくつも出してくる作品には、笑いといった点では不利に見えてしまう今回の作品ですが、こういう路線も個人的には大好きです。
トラボケ参加者が増えてくるにつれ、こういったシンプルなものはなかなか少なくなっていましたが、久々にフレッシュな風が吹いたのではないかと思います。
23.
トラボケ参加作品 すきスキ大好き超愛してる?/high&dry(3)
ボケぶりにもほどがある。というのはもちろん誉め言葉ですよ?
この人のトラボケ作品、回を追うにつれて、確実にうまくなっていますよね。
テンポのよさとか、言葉の選び方とか。このままいけば、お題とうまくかみ合った時、
チャンプも十分狙えると思います。
あと、まったくの余談ですが・・・私、先日残業帰りにとうとう「一人すき家」デビューしてしまいました。注文の仕方が分からなかった・・・
24.
「わたしの名前を呼ぶのは、 だれ?」 /「しあわせな日々」より(1)
こんな恋文(カンチガイ)をいただいてしまい、恐縮しています。
呼ぶ、読む、読んだ、呼んだ。違和感なく漢字を使い分けているところに細やかさを感じます。
「わたしの名前」を呼ぶ側からの視点で書かれた作品ですが、創作というよりも上質なエッセイ
のような。言葉の美しさを存分に知っている人ですので、これからも機会があれば、ぜひ
さまざまな作品にチャレンジして欲しいと思います。読ませて欲しい。
25.
トラバボケ 私の名前を呼ぶ・・・/廃園の秋(2)
犬をオチに使った作品がありましたが、こちらは猫でした。
会話の語尾の「みゃー」にだけ反応していることは文面から明らかなのですが、
流れがうまいのでそこに違和感を覚えずに最後まで読んでしまいますね。
この方の創作における得意ジャンルはややブラックなものという印象があるのですが、
(偏見?)、こういった引き出しもどんどん見せて欲しいものです。
<番外編>
01.
寸劇:電車の中の一場面/La torre。(食い物ブログ化中)(3)
うわ。やる気、なさそう!なのに笑わせてもらいました。
なんというか、もう、独特のスタイルを築いていますよね。
そのスタイルは、恐らくこの人のチャンプ獲得作品のインパクトを、私も含めた読者がいつも
(いつまでも)期待しているからで、そのプレッシャーは大変なものだと思うのですが。
でもそのプレッシャーをはねのけていつかチャンプに返り咲くパワーも持っていると思います。
02.
わたしの名前を呼ぶのは、だれ?<B-SIDE>(参加外作品)/やみくもバナナメロン(3)
一つのお題でいくつも話を思いつくこと自体がもう驚きなのです。
作品の手法については、参加作品のところでも書きましたが、もう技術というか、芸術なのですね。
ミステリとかホラー(ぽいの)とか、普段は書いていませんが(というか書く力がないのですが)、
読む方は好きです。一つのエピソードでも十分作品として成立するところを、わざわざ組み合わせて発表してしまうこの人に、「もったいない・・・」という言葉をささげたいと思います。
・・・さて、いよいよチャンプの発表です。
続きます。あ、別に引っ張るつもりではなくて。