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浅田次郎の思うツボ。
昨日から食べたくてしょうがなかったので、今日、焼き鳥食べてきました。
近所の小さいお店なのですが、もう、めちゃくちゃおいしいのです。
私の最寄の駅には、焼き鳥屋さんが4軒あって、その中でもNO.1(と、私が思っている)ところです。
ここではいつも、ビールはちょっとにして、チューハイを頼みます。特に杏チューハイ。
杏が必ず入ってくるんです。それが楽しみで。
今日はなぜか、梅入りのチューハイが間違って来ちゃいましたけど、そんなのも全然OKというくらい、焼き鳥は絶品です♥
(残念ながら、ガード下ではありませんが)


ところで。


年内に読みたい本、とリストをあげていましたが、なかなか順調なペースで進んでいます。
まずは、浅田次郎の『霧笛荘夜話』


舞台は港町、運河のほとりにある古ぼけたアパート、霧笛荘。
元は、外国人貿易商の別宅か商館であったと思われるアパート。
そこを訪れた訳あり風の人物が、管理人の老女から一つ一つ部屋を紹介される、
という設定の連作短編集。


7つの部屋。
かつてはどの部屋にも、住人がいた。それぞれが、人生や心に傷を負った人たち。
今は誰も残っていない。残されたのは、纏足のため、足が不自由な管理人の老女ひとり。


老女は、突然やってきた人物の事情に頓着しないまま、次々と部屋を案内してゆく。

・港の見える部屋(千秋)
・鏡のある部屋(眉子)
・朝日のあたる部屋(鉄夫)
・瑠璃色の部屋(四郎)
・花の咲く部屋(カオル)
・マドロスの部屋(キャプテン)
・ぬくもりの部屋(管理人室)

霧笛荘には、幸せな住人は誰もいなかった。
それぞれ、過去に不幸な傷を負っていたり、または不器用なあまり、幸せからはかけ離れた場所で精一杯生きていた。
そんな、それぞれの部屋の住人についての思い出を語りながら。


死にたいと願っていながら死に切れない千秋。彼女を見守る眉子。
眉子に利用されながら、それでも純粋に彼女についていく鉄夫。
普段バカにしている鉄夫に助けられる四郎。
四郎にとびきりの夢を見せてあげるオナベのカオル。
カオルの心の同志だったキャプテン。


そして、この霧笛荘を守る管理人の老女。


みんな自分の境遇に潰れそうになりながらも、ふんばって何とか毎日を過ごしている。
ああ、浅田次郎節だ、と思いつつも、ついつい感情移入してしまうのです、私。


帯に書かれているコピー。
--不幸の分だけの幸せは、きっとある。どっちかが咲きに片寄っているだけさ--。


何だかもう。
浅田次郎には、よく泣かされます。ほんと。
by sivaxxxx | 2004-12-08 21:43 | よむ


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