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ビッグフィッシュ
「ビッグフィッシュ」観てきました。公式HPはコチラ。

親子(特に父親と息子)の関係って、本当に難しいんだろうな。
母親と娘なら、友達感覚っていうのも、最近では結構ありかも知れないけれど、父と息子の場合は・・・一緒に買い物に行ったり、旅行したりという話、全然聞かない。

この映画でも、息子のウィルは、寝たきりになってしまっても、相変わらず荒唐無稽なホラ話ばかりしている父、エドワードにうんざりして、どうしても優しくすることができないでいる。
「父さんの言葉は嘘ばかりだ。本当のことを聞かせて欲しい」
こんな冷たい言い方しかできない。
子供の頃は、お父さんのホラ話を、目を輝かせて聞いていたくせに。

物語は、エドワードの若い頃と、現在の物語を織り交ぜながら進む。
エドワードはホラ吹きなので、若い頃の話もあり得ないくらいめちゃくちゃ。
それなのに、いつのまにか魅きつけられてしまう。
こんな話を聞かせてくれるお父さんって、素敵だと思うけどな・・・何で息子はそのユーモアが分からないかね。なんて思いつつ観てた私。

場面場面がものすごくきれい。同じティム・バートンの「シザーハンズ」で印象的だった雪のシーンに負けないのが、水仙を一面に敷き詰めた中で、エドワードが愛している女性(のちに、彼の妻、つまりウィルの母親になる人)に思いを告げるシーン。
ビッグフィッシュ_a0006062_24022.jpg

こんなロマンティックなエピソードも、息子にとっては、「単なるホラ話」に聞こえてしまうなんて。素直じゃないなあ。

ところが、いよいよエドワードの容態が危なくなった時。病室で一人付き添っているウィルは、父から「あの話をしてくれ」とせがまれる。
あの話。父が子供の頃出会った魔女に教えてもらった、自分の死に際のエピソード。
ウィルは「その話は聞いたことがないよ」と慌てながらも、すばらしい物語を父に語って聞かせる。

この辺でもうだめ。あ、しまった。ハンカチ忘れてしまった・・・と思ったけれど、気づいたときには、遅かった。

父と息子の関係って難しいのかも。初めにそう書いたけれど、本当は、難しいわけではないのかも知れない。語る言葉が足りないだけなんだ、きっと。
この映画に関するコメントで、小堺一機が、
「一番近くて一番遠い、男の子の最初の親友。なのに、“父”という名に隠れてしまう。もう一度親友になろう、父と」
と書いていたけれど、その言葉がいちばんこの映画を表していると思う。

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余談ですが。
私が見に行った映画館には、この映画のポスターの横に、
「塩川(正十郎)さんも、グッときました」と手書きのコピーが貼ってあって、ちょっとおかしかったです。
by sivaxxxx | 2004-05-30 02:30 | みる


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