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きみに読む物語
彼女は旅の途中にいる。
行き先も分からない旅。
いつ戻ってくるのか、果たして戻ることができるのか、
それすら分からない悲しい旅を、もうずっと長く続けている。


時には美しかった少女時代へ。時には僕と愛し合ったあの頃へ。
そして、スプーンを持つ手すらうまく動かせなくなってしまった今へ。
記憶の波のままに流されていく彼女を見ていると、僕は涙がこぼれて
しょうがない。


どんなに美しい花でも、やがて枯れてゆくように。
どんなに美しい記憶でも、次第に薄れ、やがて消えてゆくものなのだろうか。
もしそうだとすると、僕と彼女の間にあったものは、一体何だったのだろう。


あちこちが傷んだ僕の体は、そろそろ休息を望んでいる。
ものには寿命というものがあり、それは機械も、生身の身体も同じことだ。
どんなに大切に手入れをしていても、いつかは壊れて動かなくなって
しまうのだ。
でも、その前に。


何も成し遂げることができなかった、ちっぽけな僕の人生だけれど。
たった一つだけ、誰にも負けなかったことがある。
彼女を最後の瞬間まで愛することができたこと。
それだけは、誇りたい。



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私が会員になっている映画館では、この映画が¥1000で鑑賞できるという
ことだったので、軽い気持ちで観に行ったのですが。
予想以上にキモチにしみました。
どのくらいしみるかというと・・・
そうですね、隣に座っていたカップルがエンドロールの後も手を握り合って
いたくらいです。


公式HPはコチラ
なお、ここの”NOVEL”という部分をクリックすると、「愛の手紙コンテスト」の
応募要項が出てきます。
恋文マニアのあの方この方、応募してみてはいかがでしょうか?
というわけで、らふぃさんの『ひとり恋祭り』にも便乗してみました。
by sivaxxxx | 2005-02-13 21:01 | みる


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